東北最大の造船会社「ヤマニシ」(宮城県石巻市)が31日、自力再建を断念し、会社更生法の適用を東京地裁に申請した。負債総額は約123億円。東日本大震災で甚大な被害を受けたものの、翌年に本社工場で建造を再開させ、復興の象徴として地域経済をけん引した。

 支援スポンサーの選定準備に着手しており、4月末をめどに決定する。同社は事業継続と従業員150人の雇用維持を要請し、長倉清明社長は辞任する。更生手続き開始は早ければ2月中旬を見込む。

 1920年創業の老舗造船会社で、外航貨物船の新造船や船舶修繕事業を展開した。ピーク時の2010年3月期の売上高は198億円。

 震災では工場や建造中の大型船2隻が津波で被災しするなど甚大な被害が出た。県外の造船所を借りるなどして操業を続け、翌年に本社工場で建造を再開。東日本大震災事業者再生支援機構による約40億円の出資やグループ化補助金約16億円の交付を受けた。

 14年には震災後初めて1万トン級の貨物船を建造したが、主力の新造船事業が低迷。復旧費用や減価償却費などが経営を圧迫し、財務の悪化が続いた。

 18年3月期の売り上げは68億9600万円にとどまり、14年3月期から5期連続で当期純損失を計上した。19年3月期は92隻を受注し売り上げが111億円を超える一方、債務超過は約42億円に上った。

 長倉社長は31日、本社で記者会見し「復興のために借り入れした資金や今後の償却を考えると、これ以上支援先に迷惑を掛けられない。会社の体制をリセットして再生するしかない」と話した。

 債権者220人への説明会は2月4日、仙台市内で開かれる。