新型コロナウイルスの感染防止のため、安倍晋三首相が26日に表明した2週間のイベント自粛要請が、東日本大震災の被災地に大きな波紋を広げた。2週間後は、ちょうど震災9年となる3月11日。追悼行事の準備を進める自治体は「状況の変化を見極めたい」(仙台市)と情報収集に追われた。

 県や市町村の追悼式は政府追悼式の映像を生中継し、参列者が一緒に黙とうや国歌斉唱をする。

 宮城県危機対策課は「政府追悼式が自粛されれば、内容の見直しが必要になる」とした上で「追悼式は単なるイベントではなく非常に重い意味がある。規模を縮小した上で実施するなど、可能な限りの対応を取りたい」と強調する。

 福島県も規模縮小や中止など、あらゆる選択肢を視野に検討する。県企画調整課は「県民にとって大切な行事。来場者の安全も考慮しつつ、どうしたら開催できるのかを考えたい」と思案する。

 26日現在、予定通り追悼式を行う自治体が大半だが、石巻市は「宮城県内で感染者が出たり、政府追悼式が中止されたりした場合、状況に応じて規模縮小や中止を検討する可能性もある」(総務課)と事態を見守る。

 岩手県は今年は釜石市と合同で追悼式を執り行う。同県大槌町も「開催方針に変更はない」と説明。東松島市や宮城県女川町は、会場でのマスク配布やアルコール消毒液の配備などの感染対策を講じる。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う慌ただしい動きに、いわき市総務課の担当者は「自粛要請は先ほど耳に入ったばかり。中止を検討するかどうかを含め、何も言えない状況だ」と困惑した表情を浮かべた。