新型コロナウイルスの感染拡大で、東日本大震災から10年目に予定されていた行事の中止が相次いでいる。全国で唯一、感染者が未確認の岩手県でも大型連休前後のイベントは軒並み取りやめとなった。被災者を支援するNPO法人の運営にも支障が出始めており、節目となる来年の「3.11」への影響が懸念される。

 NPO法人いわてアートサポートセンター(盛岡市)は、4月26日に盛岡市内で予定していた震災をテーマにした文学作品の朗読劇を中止した。

 2017年から震災に関する詩歌や小説を毎年公募し、3月11日の前に朗読劇を開催してきた。今回はこれまでの上演作品を集大成して披露する予定だったが、新型コロナによって幻となった。

 坂田裕一理事長は「延期して5月末に開催することも考えたが、現状は厳しい。舞台芸術は人が集まって一緒に作っていくものだが、コロナはそれを妨害してしまう」と嘆く。

 大型連休の恒例だった盛岡市大通商店街でのチャリティーイベント「5月3日は盛岡大通に行こう」も、今年の実施を見合わせた。

 震災発生の11年に始まり、10回目の今回で最終開催の予定だったが来年に延期した。フリーマーケットや舞台での音楽演奏などを行うイベントの性格上、開催は困難と判断した。

 実行委の高橋真樹代表は「県外からお客さんを呼べない制約の中で最終回をするよりも、万全の状態で開きたい」と話す。

 被災地でも多くの人が集まるイベントはことごとく中止になり、被災者支援事業を手掛けるNPO法人の運営に影響が出ている。

 達増拓也知事は4月24日にあった田中和徳復興相とのテレビ会談で「NPOに対する継続的で安定的な活動基盤の強化、支援をお願いしたい」と要望した。

 NPO法人いわて連携復興センター(北上市)の大吹哲也事務局長は「復興支援をしているNPOは今、被災者とコンタクトできない状況。コロナがある程度落ち着いた時期に事業を実施したいが、先行きが見えず不安だ」と語った。