宮城県女川町のテナント型商業施設「シーパルピア女川」に、ナポリピッツァを提供する「IL GABBIANO(イル・ガッビアーノ)」がオープンした。店主の奥津圭祐さん(38)は町出身。「東日本大震災からの復興へと歩む故郷に活気をもたらしたい」との思いでUターンした。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、当面はテークアウトで営業する予定だ。

 ナポリピッツァは生地が通常のピザよりやや薄めで弾力がある。店のメニューはトマトベースとチーズベースの計約20種類。主材料のソース、チーズ、小麦粉、塩は全てイタリア産で、本場ナポリから輸入したまき窯で焼き上げる。

 奥津さんは高校卒業まで女川町で過ごした。仙台市の専門学校で調理師免許を取得。市内でバーテンダーやホールスタッフを務め、29歳で上京した。

 震災発生時は東京都内のイタリアンレストランに勤務していた。被災した女川で店を持つ夢を抱いて半年後に仙台へ戻り、飲食店で働きながら独立への道を探った。

 職人を志すきっかけは2017年秋、知人とのやりとりから生まれた。ナポリは女川と同じ港町。「新しい食を通して人々の集う場をつくることで復興に役立てるかもしれない」。そう思い立ち、ナポリピッツァ世界大会で優勝経験のある神奈川県厚木市の職人に師事し、約2年間修業した。

 昨年秋に出店準備を本格化させ、今年4月24日、開店にこぎ着けた。店名はイタリア語でカモメの意味。女川の港を飛び交う姿から取った。

 奥津さんは「たくさんの人とのご縁があって開店できた。新型コロナ感染拡大のタイミングと重なったが、終息後は観光客を呼び込むピッツェリア(ピザ屋さん)として町のにぎわいに貢献したい」と意気込む。