岩手県社会福祉協議会(盛岡市)は、東日本大震災の被災者の生活実態に関する2018年度の調査結果をまとめた。生活支援相談員による訪問が必要な世帯の割合は1年で約2割減少した一方、精神的、経済的に深刻な問題を抱え続ける住民の現状が浮き彫りになった。

 調査は1万3353世帯を対象にした17年度に続き2回目。生活支援相談員141人に質問票を配布し、回答を得た。17年度に「要支援」と判断された8078世帯を対象に引き続き調べたところ、支援が必要な世帯数は6260世帯(19年3月)に減少した。

 その一方で「気分の落ち込みや疲労感がある」と回答した割合は、前回を5.8ポイント上回る15.0%だった。「身体的、精神的な理由で引きこもりや閉じこもりがある」は7.7%で、前回を2.7ポイント上回った。

 県社協は「『1~2週間単位で通う先がない』とした世帯で、精神的な問題を抱える傾向があった」と分析する。

 調査委員長の田中尚東北福祉大教授(ソーシャルワーク)は「震災後の環境の変化に順応できた人、そうでない人の差が表れ始めている」と見る。

 前回調査では、回答に占める「不明」の割合の高さが課題となった。今回も家庭内の悩み、車や住宅のローンなど、被災者の内情に迫る調査項目では4割以上が「不明」のままだった。

 田中教授は「生活支援相談員との関わりを負担に感じる人もおり、調査は簡単ではない。復興関連予算が打ち切られる中、支援の在り方を模索しなければならない時機に来ている」と強調する。