東日本大震災の発生から10年目を迎え、岩手県は11月、海外で津波伝承に取り組む専門家を招き、陸前高田市内で国際会議の開催を予定している。津波の威力や復旧復興の足取りを後世に残す仕組みを、海外の事例を基に探る。

 「三陸TSUNAMI会議(仮称)」と題し、県の震災津波伝承館、米ハワイの太平洋津波博物館、インドネシアのアチェ津波博物館の専門家らが意見を交わす。

 太平洋津波博物館は、1960年のチリ地震津波をはじめ、繰り返し津波被害を受けたハワイの歴史を紹介。学校教育に力を入れている。アチェ津波博物館は、2004年のスマトラ沖地震で甚大な被害を受けたバンダアチェ市にあり、多くの観光客が訪れる。

 昨年12月と今年1月に両博物館の館長がそれぞれ伝承館を訪問、交流を深めている。ハワイには震災の常設展示があり、津波で岩手から流出した道路標識もある。

 県は20年度一般会計当初予算に関連予算1090万円を計上。会議後も両博物館との連携を進める。伝承館の熊谷正則副館長は「ツアーガイドの在り方や、学びの場としての役割を海外の先行事例から探りたい」と話す。

 一方でコロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)が終息に向かわない場合は、会議の延期または中止もあり得る。県は状況を見極めて判断する。