新型コロナウイルス感染症の影響で休業していた陸前高田市にある岩手県の東日本大震災津波伝承館と、隣接する市管理の道の駅高田松原が25日、1カ月半ぶりに再開した。両施設とも県内外からの利用が多く見込まれ、感染防止対策を強化した。

 伝承館は入り口にサーモグラフィーを置き、来場者の体温をチェック。ガイダンスシアターは一度に視聴する人数を減らし、席を空けて座るようにした。人出が多くなる場合は入場を制限する。

 熊谷正則副館長は「間もなく震災発生から10年。震災の事実と教訓を伝えるためにも対策を徹底して来場者を迎えたい」と話した。

 道の駅には地元生産者が朝取りした小松菜やホウレンソウ、広田湾で水揚げしたサバ、菓子類などが並び、主婦らが買い求めた。飲食店は持ち帰り品の販売のみで、飲食や休憩用のスペースは撤去した。

 葉物野菜を出荷した同市の農家新沼浩美さん(57)は「少しでも多く販売したいが、観光客が増えて県内初の感染者が出るのではないかと心配している。期待より不安の方が正直大きい」と複雑な表情を見せた。

 両施設は4月12日から休業していた。5月末までの予定だったが、岩手を含む39県の緊急事態宣言が14日解除されたことを受け、再開を早めた。