東北電力女川原発(女川町、石巻市)で重大事故が起きた際、住民の避難に必要なバスを確保するため、宮城県と県バス協会が13日に連携協定を結んだことが分かった。運転手の被ばく線量が1ミリシーベルトを下回ることなどを条件に、協会に加盟する事業者が周辺自治体の避難者の輸送に協力する。必要な台数や運転手を確保できるかが焦点となる。
 国に広域避難計画の策定を義務付けられた原発から半径30キロ圏の3市4町には約20万人が住む。計画は自家用車での避難が困難な住民はバスなどで移動してもらう方針を掲げる。
 協定は県の要請を受け、運転手が一般住民と同じ被ばく上限の年1ミリシーベルトを超えない範囲で県内各地の避難所に住民を輸送する。県は線量計や防護服を提供し、経費も負担する。
 県によると、バス避難が必要な人数は算定中だが、協会の84事業者が所有するバスは路線バスなども含め約2600台。「避難に必要な台数を確保できる」と見込む。
 ただ、協会は輸送するかどうかの判断を事業者と運転者に任せる方針。放射線量が高くなった場合、大量の避難者に見合った台数と運転手が確保できるかは不透明だ。
 県バス協会の熊沢治夫専務理事は「運転手の安全を守りながら協力する。協定は原発再稼働を後押しするものではない」と語る。県原子力安全対策課は「具体的な輸送体制を今後詰めたい」と説明した。
 県と内閣府、3市4町でつくる作業部会は広域避難計画に具体的な内容を盛り込む「緊急時対応」を年内にもまとめる。