東京電力福島第1原発事故で被災した福島県浜通りに整備を目指す国際教育研究拠点構想の有識者会議が15日開かれ、復興庁は2024年度の拠点開設を目指す方針案を示した。研究者や学生ら約600人の規模を想定し、将来的に約5000人の雇用創出を目標に掲げた。

 拠点は、国立の研究開発法人などの新設を念頭に置き、23年春の一部開設、24年度の本格開設を目指す。生活環境整備を進める観点から、20年内に具体的な立地地域を絞り込む考え。

 研究対象は廃炉と放射線関係、ロボット、第1次産業、エネルギーの5分野。人員は研究者250人、大学院生150人、事務部門200人の計600人と見込む。鶴岡市や茨城県つくば市などの研究拠点の先行事例を参考に、産学官連携で約5000人の雇用が生まれると試算した。

 会議は新型コロナウイルス対策で、復興庁と福島県庁、東北大などを中継で結ぶテレビ会議方式で開かれた。拠点には国の研究施設のほか、東北大と福島大、筑波大、お茶の水女子大の4校が参画の意向を示し、研究人員の規模はさらに膨らむ可能性がある。

 内堀雅雄知事は、ふたば未来学園中高(福島県広野町)、小高産業技術高(南相馬市)との連携を求めた上で「大学の学位が取得できる仕組みを整えてほしい」と強調した。

 分校の設置を予定する東北大の原信義理事は「積極的に関りたいが、学内予算には限りがある。国からの長期的な予算措置が必要だ」と要望した。

 参加した委員からは「国や企業よりも大学が主導する拠点整備を目指してはどうか」「地元の企業が参画しやすい仕組みづくりを」との意見が出た。

 拠点は浜通りに新産業を集積する「イノベーション・コースト構想」の一環で、昨年7月に有識者会議を設置した。今年6月に最終報告書を取りまとめ、政府に提案する。