東北大未来科学技術共同研究センターの黒沢俊介准教授(放射線物理学)らの研究グループが、これまで測定が困難だった非常に高いレベルの放射線量を計測できる機器の実証に成功した。東京電力福島第1原発の廃炉作業現場での実用化を目指す。

 炉心溶融(メルトダウン)を起こした福島第1原発の炉内の放射線量は、従来の機器では詳しく実測できなかった。非常に高い放射線の影響でノイズが生じ、放射線を電気信号に変換する機器が正常に作動しないのが原因だった。

 研究グループは、放射線を光に変換する素子「シンチレータ」の新たな材料を開発。実証試験では放射線を従来より強い光に変換し、さらに長さ20メートル程度の光ファイバーでノイズの影響の低い場所に伝送した後、検出器で電気信号を読み取る測定に成功した。

 光ファイバーの長さを100メートル程度にのばし、遠隔操作できるロボットに新型のシンチレータを搭載すれば、福島第1原発の炉内で1時間当たり1000シーベルト程度の高線量下でも測定できる。炉内に溶け落ちた核燃料(デブリ)の分布状況の把握にもつながるという。

 黒沢准教授は「数年以内に実用化させ、福島第1原発の廃炉作業をサポートしたい」と話した。