東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の安全性を検証する宮城県の有識者検討会は29日、仙台市内で第24回会合を開き、検討結果をまとめた報告文書を村井嘉浩知事に提出した。東北電や国、県に対する意見を論点ごとに記載したが、再稼働の是非には言及しなかった。2014年11月に始まった議論の場は5年8カ月で終了した。

 検討会の意見は、村井知事が東北電との安全協定に基づく施設変更への「事前了解」、政府から再稼働への判断を求められている「地元同意」の重要な資料となる。

 会合後、村井知事は「(13年12月に)東北電から事前協議の申し入れを受けてから時間がたっている。いつまでも回答しないというわけにはいかない」と強調。「再稼働ありきではない。報告文書を参考に判断したい」と述べた。

 報告文書は137ページ。東日本大震災後の施設の健全性と新規制基準への適合性を柱に91項目の論点を挙げ、有識者の見解や指摘を盛り込んだ。

 東北電には、安全対策に最新の知見を反映するとともに、県民への丁寧な説明を要請。重大事故時を想定して更新した設備を確実に運用するよう訴えた。

 国に対しては、震災の揺れと津波を受けた原発として、工事計画の認可でも施設の健全性を考慮した審査を求めた。県には、空間放射線量のモニタリング結果を速やかに分かりやすく県民に伝えるよう要望した。

 座長の若林利男東北大名誉教授(原子力システム安全工学)は終了後、「十分な議論ができた。専門家として参考意見を述べる役割に徹した」と振り返った。

 検討会は津波工学、原子炉工学などを専門とし、女川原発に詳しい有識者10人で構成された。