宮城県内の新聞や放送の記者、行政関係者、若手研究者らでつくる「みやぎ『災害とメディア』研究会」のメンバー23人が5日、昨年10月の台風19号豪雨で甚大な被害に遭った同県丸森町などで研修を実施した。

 丸森では、東北大災害科学国際研究所の橋本雅和助教(防災水工学)が大規模な河川氾濫のメカニズムを解説。町との意見交換で町側は、記者が交代するたび同じことを質問された経験を明かし、系列社を含め報道機関内で基本情報を共有するよう要望した。

 東日本大震災の津波で、児童57人を含む90人が屋上で難を逃れた同県山元町の旧中浜小も視察。当時の校長で語り部をしている井上剛さん(62)が震災遺構として整備中の現地を案内し、「90人の命を守り学校としての使命を終えたが震災を伝える新たな使命を持った。防災教育の場として生かしたい」と強調した。

 研修には石巻市大川小で弟を亡くし、語り部をしている永沼悠斗さん(25)も参加。「取材を受け、伝えたいことを正しく発信してもらうのは報道機関との共同作業だと考えている。コミュニケーションが重要で、定期的に意見交換したい」と問題提起した。

 研修は6日もあり、東京電力福島第1原発事故に伴う除染廃棄物の中間貯蔵施設がある福島県双葉町を訪れる。

 研究会は、宮城県内の産学官民と報道機関の連携組織「みやぎ防災・減災円卓会議」の派生組織として2018年1月に設立された。