◎東北大病院 総合歯科診療部 泉田明男助教

 コロナ禍の昨今、マスクは必需品になりました。それでも人と話をする機会がなくなったわけではありません。リモートで話をしたり、鏡で自分の顔を見たりした際に、歯の色が気になった経験がある方も多いかと思います。歯の色が変わる原因には、外因性によるものと、内因性によるものがあります。

■歯石や色素沈着

 外因性によるものとしては、歯の表面のプラーク(歯垢(しこう))や歯石の沈着、食べ物やコーヒー、茶、たばこといった嗜好(しこう)品の色素の沈着、う蝕(しょく)部(虫歯)の着色、レジンなどの修復物の着色があります。

 これらが原因の場合、原因物質の摂取抑制、日常の口腔(こうくう)清掃の徹底、歯科医院でのクリーニングにより改善できる場合があります。

 修復材料の中で、レジンは虫歯の浅い詰め物や、前歯のかぶせ物に多用される樹脂です。吸水性があるため、長期的には変色が起こります。この場合、程度によっては再度詰め直したり、かぶせ直したりして対応することがあります。

 前歯のかぶせ物は、レジン以外にセラミックスやジルコニアも使用されます。色が変わりにくく、プラークも付きにくいなどのメリットがありますが、こちらは健康保険の適用外です。

 また、取り外しできる義歯も色が変わります。自分の歯の表面と同様に、金属部分に腐食や変色、樹脂(人工歯、床)部分にプラークや歯石の沈着、嗜好品中の色素の沈着が起こります。初期であれば調整・研磨で対応することがありますが、新たに製作し直す場合も数多く見受けられます。

 一方、内因性の原因としては、加齢、歯の傷害(歯髄の変化・除去、不適切な治療)、化学物質や薬剤(テトラサイクリン、フッ化物など)、全身的疾患(遺伝性疾患、代謝異常疾患)などが挙げられます。

■治療必要か相談

 これらの中には漂白法により色の改善を図れるものがあります。歯の漂白は、装置を使って自宅で行う場合や、院内で漂白する、あるいはその両方を併用する方法があります。ただし、どちらも数回の通院が必要となります。過去には一部、健康保険が適用されましたが、現在は健康保険の適用外となりますので注意が必要です。

 いずれにしても歯の色が気になりましたら、ご自身で対応可能か、または治療が必要か、まずはかかりつけの歯医者さんにご相談されるのがよいと思われます。