仙台市泉区の南中山中2年の男子生徒=当時(14)=が2016年に自殺した事案を再調査する市いじめ問題再調査委員会は4日、市役所で第10回会合を開き、同級生らによるからかいをいじめと認定することなどを盛り込んだ答申案をまとめた。自殺については、いじめだけではなく、生徒の発達上の課題を背景にした学業不振や友人関係など「複雑な要因が重なり合った」と判断した。
 いじめと認定したのは「『きもい』『うざい』と言われた」「部活動で後輩が敬語を使わなかった」「自転車を壊された」「クラスで無視され、ばかにされた」など。生徒らへの聞き取りなどから、いじめ防止対策推進法上のいじめに該当すると認めた。
 答申案は「いじめの問題と希死念慮(死にたいと望むこと)に強い因果関係がある」と指摘した。関係生徒の調査協力が得られず、加害者は特定できなかった。
 生徒の発達上の課題については、学校の支援や認識が不十分だったと言及した。小学校時は教諭や保護者らがサポートしたが、中学校では組織的な支援が引き継がれなかったことが追加調査で判明。学習の理解が追い付かず、生徒が精神的に追い詰められ、友人関係に悩むようになったとした。
 15年7、11月の調査でいじめを示唆する記述がありながら、特性を踏まえた生徒への丁寧な聞き取りをせず、教諭や学校への不信感が強まったと分析。自殺の1週間前に「元気がない」などの変調があったが、学校側は見逃したと断じた。
 17年3月に市教委の第三者機関がまとめた答申は「生徒には発達上の課題があり、からかいの対象になりやすかった」と言及したが、遺族側は「からかわれて当然とのニュアンスだ」と反発。今回は「発達上の課題をいじめの要因に結び付ける論理は正当化されるべきではない」と、障害について議論を掘り下げた。
 村松敦子委員長は会合終了後「現場の教員にとって障害への正しい理解は困難かもしれないが、男子生徒のSOSをキャッチすべきだった」と述べた。
 傍聴した生徒の父親は「いじめが認定され、最初の答申より私たちの思いが認められた内容になった。加害者が特定されなかったことは残念だ」と話した。
 委員会は12月中に郡和子市長に答申書を提出する。