石川啄木(いしかわ・たくぼく)(1886~1912年)
の<不来方(こずかた)のお城(しろ)の草(くさ)に寝(ね)ころびて/空(そら)に吸(す)はれし/十五(じふご)の心(こころ)>を大船渡市の「おんば」と呼ばれる女性たちが土地言葉で訳したものです。共通語にはない濁音の豊かで柔らかい響き、「さ」という助詞の味わいが私たちの心に滲(し)みてきます。岩手県渋民村(現盛岡市渋民区)出身の啄木も訛(なま)っていたはず。いったいどんな声と抑揚で話していたのでしょうか。この一首によってさまざまな想像がかき立てられます。(本田一弘)