「棕梠」はシュロ。ヤシ科の常緑高木。5月頃から咲き、淡い黄色の粒状の花をつけます。水無月(みなづき)の朝の光を受けて散ったシュロの花を歌った一首。まず、「光にうちぬれて」という表現には詩情が溢(あふ)れ、シュロの木に身体の存在を感じます。そしてたくさん地面に落ちているシュロの花を見て、「金砂」のようだと歌う比喩の鮮やかさ。散った花に目を向けることは少ないと思いますが、作者は散った花の美しさとその光を見逃しませんでした。(本田一弘)