萩といえば紅紫色を思い浮かべますが、掲出歌は「白萩」。秋の風情といった紅紫ではなく、白く細やかな花が長い枝にふわっとこぼれるように咲いているのです。初句「うつぶして」にうまさが光ります。作者は、上を向いて咲いているのではない状態の花を、どう表したらいいのだろう、そうか、うつぶせだと言葉を探し当てたのだろうと思います。「半顔の月」の光に包まれている白萩。どこからか虫の鳴き声も響いてくるような、秋の夜。(駒田晶子)