「青銅の甕(かめ)」は大きくずっしりとして格調のある甕を想像します。作者は硬質で頑丈な入れ物をふと掌(てのひら)で打ちたくなった。冷たい表面の感触と、びくりともしない強さを試してみたくなったのかもしれません。「甕をし」の「し」は強調の助詞です。すると秋の草花のなかでワレモコウだけが衝撃を受けて揺れたという。作者が打った力に振動したことを「びび」としたところが面白いです。細い茎と赤くて丸い花穂のかれんさが浮かび上がります。(梅内美華子)