お正月は多くの人が「おめでとう」とお互いに言い合って、晴れやかで新たな気分になるでしょう。ただ全ての人がそうではありません。最愛の人を失い、その人の不在をかみしめる時間でもあるのです。作者は一昨年、夫を亡くしました。亡くなった人は本当にいないのだなあ。新しい年が来ても本当にいないのだなあ。「まことなきなり」の語の繰り返しが切なく胸に響きます。「無」と「亡」。字の使い分けに複雑な喪失感がにじんでいます。(本田一弘)