目の前に揺れている椿(つばき)の木。作者はどこから眺めているのだろうと思いながら読み進めると、結句で「露地の陽の中」と明かされ、読者は驚きます。第四句「歌記すなり」とあるように、家の外で歌を書きつけているのです。私は短歌を一度に数多く作ることができません。作りためておくこともありません。これ、書きたいと思ってもメモする時間を取らないので、さらさらと過ぎ去ってしまうのです。何が何でも記す心意気、見習いたいです。(駒田晶子)