自転車に乗った長い髪の少女がカーブを急いで曲がっているような場面が目に浮かびます。秋の朝、遅刻しまいと一生懸命自転車をこいでいる女子高生を私は想像しました。爽やかな躍動感がある歌です。この歌の最大の魅力は髪を「風に巻きつけ」たと歌ったところ。少女の髪が主で、あくまで風は従。自転車の少女がこの世界の中心であるかのような不思議な感覚に誘われます。少女に対する、作者の励ましの思いもにじんでいる歌です。
(本田一弘)