「あぶらの玉さま」とは何でしょうか。謎を残して歌は終わります。「見るうちにひとりになっていく」はスープを見ているのでしょう。冷めて表面に浮いていた脂が集まって一つになったのを「玉さま」と名付けたようです。歌の中の<わたし>も一人、「玉さま」も一人。肌寒い秋の夜、スープに話し掛けているような歌です。<あす晴れるので胃袋の夕焼けがあざやかであざやかでああ痛い>は夕焼けが体内にあるというユニークな発想です。(梅内美華子)