雪は美しい景色を見せる時もあれば、ふぶいて危険になる時もあります。その両面を結び付けた昔話「雪女」。人の命を奪う雪の精が人間の姿となって里の男と結婚するが、本性を知られ去ってゆく。雪国の女性はその末裔(まつえい)ではないかと作者は空想します。「くらき恋」「あかき唇」に妖しさと悲しさが表現されています。<土偶を模して駅舎は建てり雪風巻く木造町(きづくりまち)の空狭めつつ>。作者は青森・津軽出身。故郷の駅の形を寂しく見上げています。
(梅内美華子)