タイトルは「三月の別れ」。童女、先生、丘、谷、菜の花と映画の一場面のような歌です。まだ幼さの残る少女が卒業して先生と別れることに泣いています。菜の花の明るさは、春が来たことをただ証明するのみ。別れの中に純粋な寂しさや心のつながりが描かれました。作者は新潟県生まれ、高田高等女学校を卒業後に上京。歌人坪野哲久と結婚し、共に文学活動をしました。この歌は戦後間もない1949年に作られました。歌集『紺』より。(梅内美華子)