作者の柏崎さんの郷里は大船渡市三陸町吉浜でした。一首の中で「笑」っているのは、お孫さん。上句の表現に過不足がなく、胸に迫ります。そして下句に登場する新しい命。赤ちゃんは眠りながら、口角を上げて笑うような表情を見せるときがあります。生まれたばかりの小さな命を見つめる作者。一首の中に意思は示されていません。ただ見て、ただ思う。作者の静かな姿が痛いほど伝わってきます。9年がたつのです。歌集『北窓集』より。(駒田晶子)