電車でスマホをずっと見ている人はどうなのかという批判的な短歌がありますが、この歌は視点が少し違います。本とスマホを直接的に比べるのではなく、眠りを誘うものかどうかの感覚を見ています。そして作者は「居眠りやさし」という答えを出しました。本を読んでいるうちに眠くなる、そこに人間らしい温かさや懐かしい姿があると気付き納得したのです。本は人を休ませる効力を持っているのかもしれません。歌集『牡丹の伯母』より。(梅内美華子)