人が亡くなった後。身の回りにあったものが残ります。当たり前だけれど、切なく。残されたものをどう処分していくかが、生きている人に託されます。掲出歌の作者が手にしているものは「ショール」。大判で厚手の布地を想像しました。寒い日、ショールに身を包んで出掛けてゆく。ああ、あの人が残してくれたショールだったな、これは。と再確認する一瞬。悲しみを重ねてきた時間が見えます。春のお彼岸期間です。歌集『雲の地図』より。(駒田晶子)