波とうねりが体を揺らす。風としぶきがかっぱをたたく。静岡市の大学生椿孝多郎さん(19)がこの冬、釜石沖でタラの底刺し網漁に取り組んだ。

 漁業への就労を考えるきっかけにしてほしいと岩手県が始めたワーキングホリデー型漁業体験だ。

 「漁師はハードだけど面白い。将来は海で働きたい」と目を輝かせる椿さん。指導役を買って出た釜石市の漁業三嶋淳さん(52)は「ひと月足らずの体験じゃ何も分からんぞ」と言いながら、どこかうれしそう。

 就業に結び付くかどうかは未知数だが、三陸のファンが1人増えたことだけは間違いない。
(釜石支局・中島剛)