「保育園は就学前に幼児が通う所」「デイサービス施設は介護を必要とする高齢者の居場所」-。そんな風に、それぞれ分かれて過ごすことがほとんどかと思われますが、近年、子どもから高齢者まで、障害の有無にかかわらず、地域密着で家庭的なケアをする施設が増えてきています。

 岩沼市のNPO法人ホームひなたぼっこが運営する「ひなたぼっこ二木」は、要介護、要支援認定を受けた高齢者が通所する施設です。その施設内に、小規模保育事業所「ひなたぼっこ子どもの園」もあります。

 毎日午前9時半ごろから、高齢者の利用者がそろい、居間のソファに座る中、登園した園児たちも入り、朝の歌を歌いながら一日が始まります。

 デイサービスを毎日利用する人も、週に1、2回の人も、わんぱくな園児たちとはすっかり顔なじみで、施設内は温かな笑顔でいっぱい。高齢者たちは「きょうも子どもたちに会えるな」と楽しみにしています。

 高齢者はあいさつ後、午前のお茶を楽しみ、軽い体操や創作活動、入浴などでゆったり過ごします。時折、保育室から元気な子どもたちの声が聞こえ、家族と共に過ごしているかのような雰囲気です。

 アットホームな空間で、デイサービスと保育を行う活動は、代表の布田幸子さん(71)が1978年、自宅を開放して託児所を開いたことが原点です。

 ある日、託児の子どもたちと散歩に出たところ、はんてん姿のおばあちゃんが公園のベンチにずっと腰掛けていました。声を掛けると、家庭の事情があるよう。その後も1人で過ごしていました。

 「高齢者の居場所づくりが必要ではないか」。布田さんがこう思ったことが、宅老所の開設につながりました。

 介護施設ホームひなたぼっこを開設して20年。さまざまなドラマが生まれてきました。

 例えば、高齢者のうなり声に気付いた女の子が「おじいちゃんが泣いてるよ」と職員に伝えたそう。確認した職員は、女の子には「喉がゴロゴロしているだけだから大丈夫だよ」と、おじいちゃんには女の子が心配してくれたことを、それぞれ伝えました。すると、おじいちゃんはその子の頭を優しくなでてくれたそうです。

 大事なのは「人を気に掛けることが自然とできる環境がある」ということ。ひなたぼっこは高齢者の活力になるだけでなく、子どもの感性を養う空間にもなっているのです。

 きょうも、ひなたぼっこでは「一つ屋根の下で大家族のように」をモットーに、みんながにぎやかに過ごしています。
(認定NPO法人杜の伝言板ゆるる 丹野伶菜)

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