「自主夜間中学」をご存じですか? 公立夜間中学とは異なり、市民が自主運営する学習支援組織。仙台自主夜間中学はきょう11月18日、開講から丸5年を迎えました。

 運営するのは「仙台に夜間中学をつくり育てる会」。今月6日には仙台市青葉区で、5周年の記念講演会を開催しました。

 授業「言葉の時間」の一環として、障害のある詩人大越桂さん(仙台市在住)らが講師を務め、筆談によるコミュニケーションについてユーモアを交えて語りました。

 育てる会代表の中沢八栄さんは民間企業を定年退職後、大学院などで社会教育学を学んだそうです。そこで知ったのが「基礎教育を十分に受けられず、学び直したい」と希望する人が多いということ。「学び直す場を提供することは時代的課題」とも実感し、自主夜間中学の開講につながったそうです。

 授業は通いやすさを考慮した「昼間」「夜間」の2部制。当初4人だった生徒は現在約50人。10~90代と幅広く、家庭の事情や病気で義務教育を十分に受けられなかった人たちが通っています。不登校だった若者も増えているといいます。

 「みんな一生懸命。学び直すだけではなく、居場所や世代間交流の場にもなっている」と中沢さん。元教師や学生ら約40人のボランティアがスタッフとして支えています。

 夜間中学は、東北では仙台と福島市に自主運営が1校ずつあるだけ。政府は全都道府県と政令市での公立校設置を目指しており、仙台市に公立校が誕生する可能性があります。

 中沢さんは公立校ができても自主運営校を続ける考え。「学習者の思いを最優先に、公立・自主がそれぞれの特徴を生かし、相互に補完し合えればいい」と話します。

 「急がず、ゆっくり、丁寧に」をモットーに、一人一人に寄り添った授業を心掛ける。それぞれのペースで学べる仙台自主夜間中学の果たす役割は、非常に大きいと言えるでしょう。
(特定非営利活動法人せんだい・みやぎNPOセンター 鶴巻さやか)