師走を迎えました。ライトアップにより、街が輝きを増す一方で、寒さに耐えながら路上生活を強いられる人たちがいます。支援活動を続けるNPO法人仙台夜まわりグループ(仙台市)事務局長の青木康弘さんは「路上生活は今や身近な問題。決して特別ではない」と強調します。

 仙台夜まわりグループは2000年に活動を始め、路上生活者の訪問や炊き出しなどを続けています。現場で相談を受け、課題ごとに専門性のあるスタッフが対応。住まいや居場所の確保、就労支援、医療との連携などに当たっています。

 青木さんは「当事者が路上生活に陥る原因が変化している」と言います。かつては高度成長を工事現場で支えた男性が、高齢化やけがで失職して路上生活になる場合がほとんど。それが今は再就職や転職の失敗、親の死、離婚など人生の出来事で経済的に困窮し、路上へ放り出されるケースが増えているそうです。

 背景には、非正規雇用が拡大し、不安定な暮らしが増え続ける社会の変化があります。

 厚生労働省の調査によると、路上生活者は2003年の2万319人をピークに減り、18年は4977人となっています。一方で経済的弱者の若年層や女性が占める割合は増えています。青木さんは「路上は社会を写す鏡」と話します。

 仙台市では19年調査で少なくとも85人が確認されています。実際にはもっと多いとみられ、仙台夜まわりグループは日々の活動を通じ、ネットカフェや車上で暮らす若者や女性ら20人以上を把握。東京電力福島第1原発事故関連の元作業員が仙台で新たな路上生活者になっている実態もあるといいます。

 仙台夜まわりグループは毎年、50人ほどの社会復帰を実現させています。活動を支えているのは450人を超える物資・資金の支援者と、年100人以上のボランティアです。

 社会的弱者の苦境を「自己責任の結果」と冷たく突き放す風潮がある中、仙台では市民が市民を見捨てないための活動が続けられています。
(まちかど公共研究所 主宰 工藤寛之)

◎参考情報

 年越し支援活動の協力者募集 仙台夜まわりグループは今月29日~来年1月3日、仙台市宮城野区のみやぎNPOプラザ前で、年越し支援活動を行う。食料や物品を配布する。グループは現在、提供する物品や活動に協力してくれるボランティアを募っている。募集する物品は使い切りカイロや男性用防寒具、靴(スニーカー)、大きめのかばん、リュックなど。詳細は事務局022(783)3123。