ポニーは人が乗ることのできる馬の中で最小です。肩までの高さが147センチ以下で体重が平均200キロくらいです。ポニーとは種類ではなく、大きさから付いた名前です。

 競走馬のサラブレッドで体重500キロ前後、大型種では1トンくらいになる馬もいる中で、とても小さい馬です。イベント会場や観光牧場で見掛けたことのある方も多いでしょう。子どもたちを乗せて歩く姿がとても似合っています。

 岩手の観光牧場の一つに東北ニュージーランド村というところがありました。2017年に残念ながら閉園しましたが、ここでは子どもたちをポニーに乗せてくれました。係員が手綱(たづな)を引いてくれてコースを1周できます。子どもには身長制限があり、あまり小さいと乗れません。

 私の娘は乗りたくても身長が足らず、初めて訪れてから3年待って規定の身長に達し、ようやくポニーに乗ることができた時の喜びようを今でもはっきり覚えています。

 自分より格段に大きな動物と一体になる感覚は、体験しなければ決して分かるものではありません。視界がいつもの何倍にもなって、驚くほど遠くの景色が見渡せます。馬の筋肉と骨が作り出す足音と振動を子どもたちは体全体で受け止めているのです。

 こんな異次元を体感する機会は子どもにとって、そうそうあるものではありません。動物と一体になるとは、まさにこのことです。こうした経験は、生涯忘れることのない貴重な思い出になります。

 東北の観光牧場や動物園でポニーに乗せてもらえるところは、いくつかあります。小学校の3、4年生くらいの子どもがいるお父さんやお母さんは、ぜひ一度、乗せてあげてください。

 ポニーは大人が乗っても問題ありません。昔は、田舎の道路で馬が荷を引く光景を見ることができました。実際、現在でも馬は人の乗り物として法律で定められているので、公道をポニーに乗って走ってもよいことにはなっています。

 さすがに都会の交通量の多い道路では、ニュースになってしまいそうですが、田舎道を馬に乗って移動するのは、個人的にはとても憧れます。

 ちょっと近所まで行くのに車を使わず、馬に乗って行けるなら、何か生活も心も豊かになりそうです。(獣医師 川村康浩)