今回は、生体の水槽への投入の仕方と、長期飼育の秘訣(ひけつ)について話します。

 設置した水槽に生体を投入する際は「水温合わせ」「水合わせ」を行います。水温合わせとは、水槽の温度と生体を入れた袋の水温とを同じにする作業です。

 生体を購入したり、移動したりする際は、水を張った袋に入れて運びます。季節やその他の条件にもよりますが、投入する水槽に放すまでに、袋の中の水の温度が変化します。

 そのまま水槽に放すと温度差で調子を崩すことがあるので、空けずに袋のまま投入したい水槽に15分ほど浮かべましょう。そうすることで袋の中の水温が水槽の温度と同じになるのです。

 水温合わせが終わったら次に「水合わせ」を行います。水合わせとは、水槽の水と袋の中の水との水質の変化に慣らしていく作業で、とても重要です。

 これをせずに水温だけ合わせて投入すると、急な水質変化でショックを受けて調子を崩し、死んでしまうこともあるので水合わせは必ず行いましょう。

 水温合わせが終わったらバケツなどに、袋の水ごと生体を入れます。生体の入ったバケツに、水槽の水をチューブなどでゆっくりと注いでいきます。

 20分ほど時間をかけて、袋の水の量の倍くらいまで混ぜていきます。終わったら10分ほど様子を見て、生体のみ水槽へ移します。

 水合わせが終わった水は、水槽へは入れずに捨てましょう。このような手順を踏んで、できるだけ生体に負担を掛けないよう扱うことが大事です。

 長期飼育の秘訣ですが、水質や環境を整える清掃や飼育水の交換を、定期的に継続して行うということです。

 水槽をセットしたばかりの時期は、一生懸命世話をするので環境が整っていきます。しかし、時間がたって慣れてくると、定期的に行っていた作業をしなくなったり、大幅に期間を空けて行ったりと変則的になりがちです。

 そのような管理をしていると、いつの間にか生体に適した環境・水質から、ずれていってしまいます。生体の調子が悪くなってから、慌てて清掃や水交換をしても、なかなか改善しないものです。

 すべきことをしっかりと行いながら観賞魚飼育を楽しんでください。
(観賞魚専門店経営・朝比奈理一)