ミニチュアホースは私が今一番飼ってみたい動物です。肩までの高さが80センチまでの馬の総称で、品種ではありません。

 寿命が30~40年くらいといわれているので、私と馬の寿命のどちらが長いかと考えると、なかなか安易には飼えません。しかし、中には年齢が10歳、20歳といった個体の販売もあるようなので、諦めずに飼育を検討したいと思っています。

 今まで数多くの動物たちを見てきましたが、私は、馬の目より優しい目をしている動物を見つけることはできませんでした。どうしてこんなにも馬は優しい目をしているのでしょうか。この目を見れば間違いなく癒やされます。馬の最大の魅力は目です。

 草食動物なので、排せつ物のにおいも犬や猫とは比べものにならないくらい、においません。飼育スペースも車1台分くらいあればいいので、都会で飼育できる動物でしょう。一般に飼育されている頭数が少ないですが、もっと飼い主が増えてもいいですね。

 私がミニチュアホースのとりこになったのは東日本大震災が起きる数年前、今から10年以上前のことです。車でドライブしていると福島県飯舘村で、ミニチュアホース1頭がつながれているのを発見しました。

 珍しかったので近くまで行ってみると、そこには犬もいました。飼い主さんが出てきて、家の中に通されました。お茶をごちそうになりながら、犬や馬の話でいろいろと盛り上がり、その後、広大な牧場も案内してもらったのでした。

 牧場の一面は、ミニチュアホースだけが20頭ほどいました。後にも先にも、あれほどの頭数のミニチュアホースを見たことはありません。みんな優しい目をして仲良くしています。

 その中に、特別小さな馬がいました。聞くと、日本で最も小さなミニチュアホースとのことでした。他の馬より二回りほども小さく見えます。あまりにも小さくて、他の馬との交配も難しいということでした。

 牧場には畜産学科の大学生が実習で宿泊できる施設があり、別の敷地には日本一大きいといわれている馬もいました。その馬はドラム缶製の餌入れをたたくと、肉眼では見えないくらい遠いところから、走って近くまでやってきました。

 震災で最も被害を受けた地域の一つですが、ミニチュアホースたちがまた、元気に牧場を走り回る姿を、いつも思い描いています。(獣医師・川村康浩)