今回は海水魚飼育で使用する「海水」についてお話しします。

 海水魚とはその名の通り海にすむ魚ですので飼育するには海水が必要になります。海水というとまず最初に、しょっぱいイメージが浮かびますね。単にしょっぱいだけではなく、その中にさまざまなミネラルを含んでいます。

 海水魚飼育に使用する海水には2通りあります。「天然海水」と「人工海水」です。天然海水とは自然の海の水のことです。ですが近場の海ではなく、南方の暖かく清浄な海から採取された海水を使用します。

 自然の海にはさまざまなものが溶け込んでいます。塩分の他、カルシウムやマグネシウム、炭酸塩などの主要ミネラル。ヨウ素、カリウム、鉄、亜鉛といった、わずかながら溶け込んでいる重要な栄養素である微量元素など、実に60種以上もの元素から成り立っています。

 海の生物たちはこれらのミネラルを使って生きています。自然に生きる海水魚たちを自然の海水を使って飼育するのはとてもいいことですが、清浄な海水を手に入れるのが難しい場合もあります。

 海水に含まれる良いバクテリアだけでなく悪いバクテリアも入ることもあれば、天候や季節、海の状況によって採取が難しかったり、濁っていたりと、常に清浄とはいかず不安定さが残ります。

 天然海水は袋に入れられ箱詰めされ流通していますが、送料がかかるのと1リットル当たりの価格が高価です。沖縄や鹿児島、宮崎、和歌山辺りであれば海にくみに行くこともできますが、飼育に支障がないか水質などの確認が必要でしょう。

 人工海水とは、人工的に各種ミネラルが配合された粉末状の海水の素(もと)です。真水に溶かして、いつでも好きな時に必要な量の清浄な海水が作れます。海水生物の飼育に必要な成分が最適な量で配合されており、バランスのとれた質の高い海水が出来上がるため、安心して使用できます。

 中にはサンゴ、イソギンチャクの飼育に特化した人工海水の素も作られています。海水魚飼育を始める時は誰でも安心して使用できる人工海水の素を利用しましょう。
(観賞魚専門店経営 朝比奈理一)