今回は海水魚飼育で使用する「塩分濃度計」「塩素中和剤」と海水の作り方について話します。

 前回、海水魚飼育に必要な水は、水道水に人工海水の素(もと)を溶かして作る話をしました。海水を作るためには塩素中和剤、塩分濃度計が必要です。

 水道水には殺菌成分である塩素が含まれているので、これを中和・無害化するために塩素中和剤を入れて処理します。塩分濃度計は水中の塩分の濃さを測るのに使います。

 人工海水の作り方は、まず海水魚飼育に適した25度前後の水道水を必要量、空の水槽などの容器に用意します。水温が冷た過ぎても暖か過ぎても、塩分濃度が変わってしまうので、なるべく合わせましょう。

 塩素中和剤を入れて塩素を処理したら、粉末状の人工海水の素を少しずつ投入してかき混ぜます。初めは白く濁っていますが次第に透明になってきます。透明になったら、溶け残りが無いか確認し、塩分濃度計で濃さを測ります。

 濃度計の中には塩分の濃さによって浮き沈みする針があります。濃度計の内部に海水を入れると針が動くので、止まった針先の数値を読み取ります。

 このとき、針に気泡が付いていると正しい値を示さないので注意が必要です。適した濃度になるまで少しずつ溶かしながら計測していきます。

 適した塩分濃度は28~32ppt、比重で1.020~1.023ですので、この値になるまで調整します。途中、塩分が濃くなった場合は水道水を足して薄めながら調節しましょう。

 基本的には、作ったばかりの海水をすぐに使用しても問題はありません。しかし作りたての海水では、水中のミネラルがまだじゅうぶんなじめず数値が不安定なこともあります。人工海水のメーカーによっては溶ける速度に違いがあり、時間を置いてから使用するのが望ましい場合もありますので、購入の際は確認するといいでしょう。

 人工海水の素は粉末状ですので、湿気に弱いところがあります。湿気を含むと固まってしまい使えなくなるので、保管場所には気を付けましょう。
(観賞魚専門店経営 朝比奈理一)