私は田舎暮らしを始めてすぐに、ウコッケイのひなを8羽育てだしました。ウコッケイはニワトリの仲間ですが、他のニワトリと違うところが多い珍しい品種です。

 まず、羽毛ですが一般の鳥の羽根とは異なり、体のほとんどの羽毛が犬や猫のように1本の毛になっています。翼と尾羽は普通の鳥のような羽根が生えていますが、他の部分はふかふかの直毛です。地面に触れる指先近くまで、その毛が生えていて寒さには強い鳥です。

 体もニワトリの中では小型で、室内でペットとして飼う人も少なくないようです。通常のニワトリは指が4本ですが、ウコッケイは5本あります。

 とさかも普通のニワトリはギザギザの冠が前後にとがったように付いていますが、ウコッケイはその冠をつぶしてグチャグチャにしたように付いています。

 ですから、パッと見た目だけで、あれがおんどりだとは分かりづらいところがあります。雌はとさかが小さくて雄より目立ちません。そのため、頭の毛のふさふさの直毛が特に目立って見えます。

 また、皮膚も筋肉も普通のニワトリとは違い、色が黒いのが特徴で、中国ではその黒い肉が薬膳料理として使われ、健康に良いとされてきました。

 卵も薬のように扱われ、日本の有名なデパートなどでは1個500円ほどで販売されることもあります。実際、普通の鶏卵にはない成分がウコッケイの卵の中には含まれているようです。

 そして、鶏卵用のニワトリは年間300個ほどの卵を産みますが、ウコッケイは年間50個くらいしか産みません。そのため、貴重な卵として扱われています。

 おんどりがよく鳴くのは皆さんの知るところだと思います。朝早くから鳴きだすと考えている方が多いようですが、実際は一日中鳴きます。

 わが家では最大、40羽くらいのウコッケイがいました。日本犬も30頭ほどいて、夜中に犬たちが遠ぼえをするとそれが連鎖して、ほとんどの犬が遠ぼえに加わり大合唱が起きます。

 そこにウコッケイのおんどりたちも加わり、まねして遠ぼえを始めます。この時は、「ウオー」という感じで鳴きます。いつもは、皆さんが知っての通りに「コケコッコー」と鳴いていますが、犬の遠ぼえをまねするのは田舎暮らしをしてみて初めて知りました。
(獣医師・川村康浩)