最初に育てたウコッケイはペットショップから購入しました。寒い時期にヒヨコを8羽買い、春まで室内で大切に育てました。せっかく土地の広い田舎に引っ越したのだからウコッケイを殖やそうと思い、竹やぶを開拓して周りを金網で囲い、100羽くらいが伸び伸びと暮らせる鶏舎を造りました。

 8羽はしばらくの間、元気に育っていましたが、何と一晩で6羽が害獣にやられてしまいました。目の細かい金網をかなり高く囲い、除草シートを張って上からも下からも害獣の侵入を防いだつもりだったのにショックでした。

 残りの2羽は当分、室内で飼うことにしました。鶏舎にバラ線を張り巡らし、害獣対策を強化しました。

 そうしていると、田舎暮らしを始めてから親切にしてもらっている人が「ここまでしたのなら大丈夫だろう」と言って、自分の飼っているウコッケイを10羽ほど譲ってくれました。しかし、さらに2羽を失ってしまったのです。バラ線に残された毛の塊を見て、犯人はキツネだと確信しました。

 今度は天井を害獣対策用のネットで覆いました。にもかかわらず、3度目の悲劇がやってきました。

 ある朝、ウコッケイたちが尋常ではない声で鳴いています。慌てて鶏舎に向かいました。キツネは近くの木によじ登り、ネットを食い破って囲いの中に入ってきたのです。あっという間に去り、ウコッケイは4羽いなくなっていました。

 妻は泣き、私もしばらくは怒りで体が震えて止まりませんでした。対策をどう施すか。しばらく考え、自宅の目の前に鶏舎を造ることにしました。

 鉄パイプで骨組みを組んで、丈夫な鉄製の害獣対策用フェンスで囲い、天井には木材を取り付けた後、しっかりした屋根材を乗せました。そして、卵を産んでくれるように小屋を作り、2階建てにして産卵できるスペースを作りました。

 努力のかいあって、新鶏舎はキツネに壊されることもなく、手塩にかけて育てた2羽のウコッケイと、いただいたウコッケイたちが仲良く暮らし、卵を産んでくれるようになりました。
(獣医師・川村康浩)