ふゆとみずのまほうこおり 片平孝 著

 水が凍るとき、環境条件によって多彩な現象を見せてくれる。動植物や宝石のように変身したり、奇抜なアートを描いたり。まさに自然の神秘にほかならない。写真家の著者が、冬の厳しい寒さが演出するユニークな氷の造形を捉え、カラーの写真絵本にした。

 気温が0度より下がれば、液体の水が固体の氷に変わっていく理屈は誰も知っていること。ただ、身近な存在である氷がこれほどまでさまざまに、不思議な光景を作り出すのかと思うと、新鮮な驚きを感じてしまう。

 湖底で湧き出したガスが氷に閉じ込められた、おはじきのような「アイスバブル」、洞窟の天井から落ちた滴が地面から伸びた「氷筍(ひょうじゅん)」、深い山の中にある滝が完全に凍り付いた「氷瀑(ひょうばく)」…。

 ほとんどの写真説明は子どもたちに分かりやすいように、ひらがなやカタカナで表記されている。最後には「なぜ氷は水に浮くのか」といった氷の形と特異な性質について解説するページもあり、単に写真の面白さを楽しむだけでなく、科学も学べる。大人も興味深く読める内容だ。

 著者は1943年、石巻市生まれ。雪と氷のほか塩、砂漠、星をライフワークに40年前後、世界を回りながら写真を撮り続けている。

 ポプラ社03(5877)8110=1650円。