地図で見る日本の地震 山川徹 著、寒川旭 監修

 地震発生を予知することはできないが、自分の住む場所で過去に起きた地震について知ることは、備えの一歩になる。遺跡発掘調査と古文書を手掛かりに、古くは飛鳥時代まで記録をさかのぼり、地域別に特徴を解説する。小学校の高学年ぐらいから学べるよう図解を織り交ぜ、当時の人々が取った行動も伝える。

 年表にまとめた地震や火山の噴火記録は、日本書紀に記録が残る筑紫地震(679年、九州北部で発生)から、2019年の山形県沖地震まで150を超す。東北地方だけでも830年の出羽国(でわのくに)北部の地震から現代まで、29回も大きな揺れと噴火に襲われた。「地震の巣」と呼ばれる日本では、どの時代にも各地で繰り返し大きな地震が起きていたことが分かる。

 現在の状況は、国内の観測史上最大規模の東日本大震災(2011年)に匹敵する貞観地震(869年)が起きた9世紀と共通点が多い。各自、てんでに逃げる「津波てんでんこ」を実践した釜石市の子どもたちの行動を紹介し、命を守るヒントを示す。

 著者は1977年、上山市生まれ。著書に東日本大震災の被災者を取材した「東北魂」がある。監修者は地震考古学が専門で、各地の遺跡に残る地震痕を研究する。著書に「歴史から探る21世紀の巨大地震」など。

 偕成社03(3260)3221=2200円。