みやぎ木の花散歩みち 辺見徳郎 著

 殺風景な市街地を歩き回っているうち、漂ってきたキンモクセイの甘い香りに、足を止めることもある。見上げるとオレンジ色の小さな花。応援されているかのようで元気が出る。樹木の緑は心を安らげるが、その花々は心を沸き立たせてくれるようだ。

 身近に咲く木の花を「早春」「春」「初夏」「夏」「秋・冬」と分けて、鮮やかなカラー写真で紹介している。やはり掲載されている数が多く華やかなのは暖かい時期だが、これからの季節だって、ヤツデやサザンカ、ビワなどの開花が楽しみになる。

 各項目には花の特徴や名前の由来などとともに、咲く時期や花ことば、ゆかりの俳句や短歌も収められている。

 ところどころにちりばめられている「木の豆知識」「植物おもしろ百科」というコラムも興味深い。豆知識「紅葉・黄葉の仕組み」によると葉が赤く染まるのと黄色く彩られるのとでは、違うメカニズムが働いているのだという。

 巻末に「おもしろ園芸教室」も掲載。種まきや挿し木・接ぎ木などの方法、肥料の種類や性質、手入れの仕方などが簡潔に記されている。

 著者は1934年東松島市生まれ、塩釜市在住。宮城県立仙台高等技術専門校造園科講師などを務めた。(又)

 河北新報出版センター022(214)3811=880円。