精神科医がよくつかっている治癒することば 上月英樹 著

 偉人から文豪、プロ選手、芸人まで、数多くの人が残した120の名言を紹介する。精神科医である著者が、診療で実際に悩める人に投げ掛け、効果があったものを厳選した。言葉には魂が宿る。あらためて言葉が持つ力を思い知る。

 サッカー元日本代表選手、長谷部誠氏の言葉は「恨みを貯金しても仕方がない」。著者は「恨み、つらみ、ねたみ、そねみは貯金したらダメ。貯金するなら、名言や憧れ、夢や希望、大志や勇気がいい。だって、利子がついて、放っておいても大きくなるから」と語る。患者に話すと、分かりやすいと納得する人が多いという。

 インド独立の父、マハトマ・ガンジーは「あなたが、ほかの人々に求める変化を自分で行いなさい」と言った。親が、妻が、夫が、上司がこうあってほしいと訪れる人に紹介する言葉だという。「そう意識するだけで、相手へ向けられていた関心や不満、欲求が消え、自分へ興味が向く」と著者は述べる。

 限られた人生のさまざまなシーンで、役に立つ言葉の数々。読めば、疲れた心が癒やされる。

 著者は1953年山形市生まれ。2007年から茨城県土浦市の土浦メンタルクリニック所長。(郁)

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