「水族館で働く人」として真っ先に思い浮かべるのは、飼育員やショーのトレーナー。華やかな仕事の陰で、生き物の命を支える裏方さんがいる。

 仙台うみの杜水族館で、水処理チームの一員として働く芦沢淳さん(34)は、約100個ある水槽の管理を担う。1日当たり水量の6%ずつ海水を入れ替え、生き物に悪影響を与えるアンモニアや塩分の濃度、水温などを定期的に測定し、快適な環境を整える。

 ふんや食べかすを除去する「ろ過槽」の洗浄が最も大変な作業だ。水槽に海水を送るポンプを一時的に停止する際、バルブを操作する力加減を誤れば配管が破裂する。水槽の消毒も、薬の量が正確でなければ生き物が全滅しかねない。

 海水は24時間循環のシステムで、夜間に水温上昇などのトラブルが発生すれば緊急出動する。「一歩間違えば多額の損害を生みかねず、常に100パーセントが求められる」と気を引き締める。

 お客さんがじっくり観察できるよう、透明度の確保も重要だ。太陽が差し込む水槽は植物プランクトンが増加しやすい。濁りを抑える工夫は欠かせないが、「無色透明な海水が生き物にとって快適とは限らない」と難しさを解説する。

 「やりがいを感じるのは水質の変化をいち早く察知し、悪化の前に対処できたとき」と笑顔を見せる芦沢さん。「水槽をよく見ると、床や壁に循環のための穴が開いている。ちょっと注目してくれたらうれしい」と話す。
(桐生薫子)

[仙台うみの杜水族館]仙台市宮城野区中野4の6。開館は午前9時~午後6時半。21、22、28日は午後9時まで営業し、夜にイルカショーを開催。ゴマフアザラシとの触れ合い体験も今月始まった。連絡先は022(355)2222。