高さ9.7メートルのアーチ形天井が印象的だ。木骨編板(集合材)構造の大講堂は、柱のない広い空間に、窓から差し込む光が静寂な雰囲気を醸し出す。

 1951年落成の本館と、57年に増築した大講堂で構成する。本館は1階が鉄筋コンクリート、2階が木造。外壁には地場建材の塩釜石を使用している。

 2014年11月からは、宮城県塩釜市ゆかりの洋画家杉村惇氏(1907~2001年、46~65年に塩釜市在住)の作品を集めた同市杉村惇美術館が入る。本館2階の常設展示室は、かつて1階から吹き抜けで、映画館としても使った名残の映写室がある。

 塩釜神社に近い市街地を見下ろす高台にあり、東日本大震災に伴う建物の被害はガラス1枚が割れただけだった。建設時の状態をよく残し、13年10月には市有形文化財に指定された。

 同館の阿部沙斗加学芸員(32)は「大講堂の音響は、弾き語りなど少人数の演奏に好評」と誇らしげだ。約70年にわたって、港町塩釜の文化活動を支える重要な役割を担い続けている。
(高橋秀俊)

[塩釜市公民館本町分室]塩釜市本町8の1。特別企画展「杉村惇作品展 存在と空間の伝説~画室の韻律」を来年1月19日まで開催中。午前10時~午後5時。月曜(1月13日を除く)、年末年始(12月28日~1月4日)、1月14日は休館。連絡先は022(362)2555。