茶色で四角い外観の菅野美術館。塩釜市の住宅地の細い上り坂の先にある。2階の入り口から入り、白い壁の立体感に驚きつつ彫刻を見ながら中2階、1階へ。らせん状の白い空間に迷い込んだ感覚になる。

 開館は2006年。市内で病院などを経営する医師菅野喜與さん(92)が私費を投じて財団法人をつくり建設した。収集したロダン作など近代西洋彫刻9点を常設展示する。

 建物は建築家の阿部仁史氏(仙台市出身)が設計した。「四角い箱にシャボン玉を詰め込んだ多面体のイメージ。当初8点だった彫刻を小空間がそれぞれ包むような感じ」と同館の学芸員斎藤しずえさん(44)は説明する。

 建物の素材は昔ながらの造船技術を活用した鋼板だ。内部に柱はなく面で支える構造となっている。くぼみと2枚の背合わせで強度を上げた。外壁はコールテン鋼。さびが保護膜となり港町の塩害に強い。

 斎藤さんは「金属は気温で伸縮し柔軟性がある。耐震性とデザイン性が考慮されている」と魅力を語る。
(松田佐世子)

[菅野美術館]塩釜市玉川3の4の15。マイカーは原則不可。開館は午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで)。常設展は大人300円、大学生・高校生200円、中学生以下無料。休館日は月、火曜(月曜祝日の場合は火、水曜)と年末年始、企画展前後など。連絡先は022(361)1222。