宮城県内のIT企業でつくる県情報サービス産業協会(MISA)の人材確保の取り組みが、徐々に実を結びつつある。大学、専門学校と積極的に情報交換し、首都圏に流れがちなIT志望学生の目を地元に向けさせる取り組みのほか、プログラミングの経験がない学生らの受け入れ態勢も整えた。(報道部・丸山磨美)

◎文系学生にも研修/労働環境改善訴え

 「インターンシップでプログラミングを教わって作った物を動かし、達成感があった」。11月27日、仙台市内であったMISAのインターンシップ成果報告会で、聖和短大キャリア開発総合学科2年の小野萌夏さん(20)が振り返った。

 事務系での就職活動がうまくいかず、8月にMISA会員企業のインターンに参加。その企業の面接を受けて内定を得た。「文系出身の社員もいて、私でも大丈夫と思えた」と言う。

■単位として認定

 MISAは昨年度、人材確保事業「伊達なICT-WORKせんだい・みやぎ」の一環で、ITを学ぶ情報系学生向け、非情報系学生向けなど5日間のインターンカリキュラムを仙台市の助成を受けて作成。学校の単位として認定され、学生と中小企業がともに参加しやすくした。

 同事業は、出前授業や企業説明会を通じた認知度の向上、人材紹介などを目指す。昨年度は、県の助成で未経験者向けの合同研修も開始。新人や中途採用者らがビジネスマナーからプログラミングの基礎まで約3カ月かけて習得、スムーズな就業につなげる試みだ。

 事業のベースとなっているのは、大学・専門学校の就職担当者らを交えた産学連携懇話会だ。好況が続くIT業界で人材確保は最大の課題だが、情報系の学生の多くは首都圏に就職する。地元企業の採用難を打破しようと、学校側との情報交換の場を4年前から設けた。

■就労後も手厚く

 首都圏企業との姿勢の差や、長時間労働など「ブラック」なイメージといった学校側からの指摘を企業に知らせ改善を促す。学校側には、県内のIT企業が労働環境改善を図っていることなどを伝えてきた。

 「辛辣(しんらつ)な意見もあるが、こちらの状況も把握してもらい、学生の反応は良くなった」とMISA人財委員会の岡田晃男委員長(50)。特に「地元」「内勤」志望の非情報系学生の就職希望と採用が増えた。「やる気があれば3年で一人前になる。コミュニケーションや資料作成の力が高い傾向にあるのが強み」という。

 「業界への理解が深まり、安心して学生を送り出せる」(尚絅学院大)「未経験者も育てようという機運がありがたい」(聖和学園短大)との評価の一方で「企業によって意識に差がある。条件などで首都圏に負けない企業が増えてほしい」(市内の専門学校)との声もある。

 岡田委員長は「採用がうまく行かない企業に、MISAの事業を上手に活用してもらいたい。今後は就労後をフォローする研修の仕組みも検討していく」と話す。

[宮城県情報サービス産業協会]会員は県内に拠点を置くIT関連企業約200社。県内の情報関連技術の利用促進や水準向上、人材育成などを目的に1996年に任意団体として発足し、2011年に一般社団法人化した。