藤崎は今年、創業200周年の節目を迎えて多彩な事業を展開した。藤﨑三郎助社長は河北新報社の取材に応じ、次世代の百貨店経営に向けた売り場再編の在り方を示し、若い世代への訴求力を高める必要性を強調した。(聞き手は報道部・古賀佑美)

 -200周年事業として思い出深いものは何か。

 「3月に開催した『200年のあゆみ展』だ。創業当時から現在までの推移を写真や地図、パネルで紹介した。多数のお客さまや取引先の方々、退職した社員にお越しいただき、節目を感じる良い機会になった。商売の基本的な考え方は変わっていないと感じた。顧客第一、創意実行、地域発展。この三つを社会の変化に沿って組み合わせている」

 -近年は百貨店の在り方が変化している。

 「ニーズが多岐多様になった。ありとあらゆる分野の『百貨』を販売してきたが、薬品、レコード、本といった専門性が高い商品は扱わなくなった。1980年代からはルイ・ヴィトンをはじめとする海外ブランドのショップをそろえて東北6県からの集客力を上げ、ステータスを高めてきた」

 -次の100年を見据えた展望は。

 「少子高齢化の中で、実店舗をどう位置付けるかが課題だ。eコマース(電子商取引)が普及する中、わざわざ店舗に来る理由は何かを考えなければならない。今、店に来ていただいている団塊の世代が10年後には80代に入り、主要な購買層ではなくなる。その下の団塊ジュニアが買い物に対してどんな習慣を持ち、どんな不満を抱いているかを調べたい」

 -本館の建て替え時期が迫っている。

 「一昔前は売り場面積を増やせば必ず売り上げが上がったが、今は違う。将来的に売り場面積は現在の4館合計約3万2000平方メートルから2万平方メートル規模になるだろうとイメージしている。デパ地下のような食料品は今までよりもずっと多くなる。地場産品や飲食店を加え、客を呼び込む。食は来店動機になる。人気の高い海外ブランド店や化粧品は必須だ。インターネットで買えるような衣料品もある程度は置く。売り上げではなく、利益を重視した経営を目指す」

 -本館は現地再建か。

 「それは分からない。もし移転すれば、一番町の人通りは落ち込むだろう。地下に市地下鉄東西線の駅があることも考慮しなければならない。ベストな選択はなかなか見通せない」

 「そもそも、これからのデジタル世界をどう生き抜くのか。若い社員にも手伝ってもらうが、われわれの世代が方向性を決めなければならない。そこまでやるのが仕事だ」

 -平成元年に社長に就任した。今年は改元があったが、次代の経営者についての考えは。

 「入社した当時の定年は55歳だった。今は70歳まで延ばそうという時代になり、社会が変化している。健康面の心配も今のところはない」

[ふじさき・さぶろうすけ]慶大卒。1971年伊勢丹入社。79年藤崎取締役、89年社長。東北百貨店協会会長、日本百貨店協会副会長、東北経済連合会副会長などを務める。70歳。東京都出身。