■面白いアイデアが刺激に/渡辺さん
 
 小野町の中心部に菓子店「シェフリー松月堂」がある。ご当地スイーツ「アイスバーガー」などで人気の店だ。後継者として菓子作りに精を出す渡辺和之さん(33)は、小野高と八重山農林高の6次化商品開発に協力している。

 小野町産のエゴマと石垣市の黒糖を使った菓子を作れないかとの話が、町や小野高からあった。すぐに思いついたのがクッキーだ。「バトン」という商品がすでにあり、それにエゴマと黒糖を取り入れた。

 ともに香りの強い食材なので、配合する分量に苦労した。エゴマが多過ぎると黒糖の良さが失われ、逆になるとエゴマ独特の風味が感じられない。生徒と一緒に試食を繰り返した。「高校生のアイデアや意見は面白く、刺激になった」と話す。福島と沖縄。気候も食文化も違う土地の連携は意義深いと受け止めている。「菓子だけでなく、他のものでもつながっていければいい。互いに盛り上がっていきたい」

■沖縄に同行生徒に充実感/尾形さん

 小野高の尾形雄一教諭(41)は昨年度の石垣市訪問に同行した。準備段階から関わり、生徒にアドバイスを送った。

 生徒は訪問前、石垣で販売するお菓子の試作を繰り返し、材料の配合を変えるなど試行錯誤した。「生徒は普段から何事にも真面目に取り組む。大変だったろうが、弱音を吐かず黙々と作業していた」と振り返る。

 現地訪問は3泊4日の日程だった。施設見学や製造実習、販売などスケジュールはびっしり。それをこなした生徒の表情は、充実感にあふれていたという。帰郷後、ある生徒の感想には「別れを惜しむほどの絆ができた」と書かれていた。「やり遂げたことが大きな自信になったようだ」と受け止める。

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故発生後、被災地はさまざまな支援を受けた。石垣訪問の際も「福島の力になりたい」との声に触れた。「恩返しできるよう手を取り合う関係を続けてほしい」と期待する。