■想定外のアイデアに驚き 亦野さん

 JAえちご上越の複合販売施設「上越あるるん村」は2018年3月、第1弾の「雪室ニンジンドレッシング」を発売。第2弾の商品開発を高田農業高に依頼した。「試作段階で奇抜な案がたくさん出たが、徹底的にいい商品を作ろうとする姿勢はすごかった」と、園芸畜産課の亦野(またの)潤一さん(33)。納得するまで味に妥協しない生徒の取り組み方に感心している。

 自由な発想で、上越らしい商品開発をしてほしいと生徒に伝えていたが、「白みそを使うアイデアは全くの想定外だった」と振り返る。「第1弾を超える商品開発という点で生徒は苦労したと思うが、白みそ味は試作品の段階から抜群においしかった」という。

 第2弾も第1弾と同じペースで売れていて、第3弾にも期待がかかる。「地域農業の振興もJAの役割。高校生が間に入ることで、JAと地域の距離が縮まった。将来は地元振興のためにこの経験を生かしてもらいたい」とエールを送る。

■諦めぬ姿勢と熱意を評価 野口さん

 上越教育大学大学院の野口孝則教授(46)は、商品開発に携わる高田農高生にアドバイスしてきた。商品作りという共通の目的へ向かい、失敗を繰り返しながらも、アイデアを出し合う高田農高生の姿に意欲と熱意を実感している。

 「大人は専門に特化し極めようとするが、彼らは大人が気付かないことに気付くことができる」。高田農高生の発想力の背景には、普段の授業を通じて学んだ食品などの基礎知識があると分析する。

 一方、生徒が「大豆バター」作りに挑戦したとき、バターとしてはいまひとつだが、他の食品に入れる具材と考えれば魅力的な商品となり得ると指導。生徒に発想の転換も促してきた。

 「生きる力は工夫して発想する力。価値感覚を養う上で、地元の食材で商品開発するのは重要な学びとなる」。大人と高校生がうまく連携すれば、授業としても、ビジネスとしても成り立つと期待している。