チーム戦略だけでなく経営面も大変革の年となった。

 開幕前に創業者の中村彰久球団代表(48)が退任。経営権が「HALEO」ブランドでサプリメントを製造販売するボディプラスインターナショナル(仙台市)に移った。

<入場者は2割増>
 新社長には39歳の渡辺太郎氏が就任。楽天野球団出身の若手経営者らしく、次々と新手を打ち出した。

 勝つと次節ホーム戦が大幅に割り引きになる「勝割チケット」は、新たな観戦者の開拓につながった。シーズン開始前にはブースターとの意見交換会として「ファンミーティング」を初めて開催。写真共有アプリ「インスタグラム」やツイッターの発信もこれまで以上に増やした。

 今季の1試合当たりの入場者2567人は、昨季から2割増でB2リーグ首位。初年度の改革は一定の成果を上げたと言える。

 来季はもう一つ大きな手を打つ。ゼビオアリーナ仙台(仙台市太白区)の本拠地化だ。

 天井からつり下げられた立体ビジョン、アリーナを取り囲む帯状発光ダイオード(LED)、迫力のある音響施設-。本場の米プロリーグNBAにも引けを取らない施設で「活用しない手はない」(渡辺社長)。人気拡大の起爆剤にしようとしている。

<開催費用が重荷>
 課題は開催費用の増加だ。従来の本拠地カメイアリーナ仙台(仙台市太白区)は週末2試合で約350万円だったが、ゼビオアリーナは約650万円と倍近い。コスト増を埋めるためには入場者数を増やす努力が一層求められる。

 仙台は今季、スポンサー収入が微増にとどまり、2期連続の赤字が濃厚だ。3期連続赤字の場合はリーグ規定により、クラブライセンスが取り消される可能性がある。来季は黒字化が必須だ。

 渡辺社長は「コンテンツの価値を上げるためにアリーナは大きな武器になる。投資は必要」と強気を貫く。来季も1試合平均3000人の動員を目標とする。

 取り込みたいのはバスケットボール競技者だ。県内の競技者数は1万2000人で、野球、サッカー並みに裾野が広い。小学生のミニバスケ選手をアリーナに導こうと、午後2時開催だった土曜日の試合を夕方にずらして観戦しやすくする考えだ。

 B1復帰という大目標に向け、チーム強化と集客増による経営の安定化を急ぐ。仙台はbjリーグに初年度から参戦するパイオニア球団の一つ。進化のアクセルをもう一段階深く踏み込もうとしている。